美味しい古米に出会った時の注意点・着目点です。〔ヴィーナスの贈物〕
安い古米なのに、新米のように美味しい。外食などで、安い外国米なのにとても美味しいご飯を食べた、こんな経験おありですか? ここで注意しなければならない事があります。「精米改良剤」は使われているか?です。
聞き慣れない言葉かも知れませんが、「精米改良剤」とは、石油由来の「プロピレングリコール」と言う化学薬品が主成分で、化学的に人間が作り出した、言わば、「液体プラスチック」です。「プロピレングリコール」は、食品では品質改良剤・乳化剤などとして使われ、化粧品では保湿剤、また工業用ではエンジンの不凍液・潤滑剤など、大変多くの用途で使用される化学薬品ですが、化粧品などの薬事法では、「表示指定成分」として表示が義務付けられています。しかし、法の抜け道があり、食品衛生法上では、加工助剤として位置付けされており、表示義務がないのです。
「精米改良剤」は「プロピレングリコール」の他、植物油脂・合成甘味料・リン酸塩・グリセリン脂肪酸エステル・グルタミン酸ナトリウムなどからできていて、劣化して脆くなったお米を、割る事無く精米する為にコーティングし、同時に、古米特有の酸化した匂いを防いで、甘みを付け、白い光沢を出す働きがあります。つまり美味しくなるのです。
外食産業などでは、この「精米改良剤」を当然のように使用されているのですが、激安スーパーなどで売られているお米や、古米なのにとても美味しい場合などにも使用されている可能性が大きいのです。
本来お米も生鮮食品です。時間が経てば劣化するのが自然の姿です。それを温度や湿度管理によって劣化の程度を抑えてやるのが人間の知恵でした。しかし、化学薬品を使って人間の味覚を騙す所まで来ると、一種の偽装と言えるかも知れません。食品を提供する会社の本質的モラルが問われる問題だと当店は考えます。
「精米改良剤」は食品衛生法上表示義務が無い為、消費者がそれを確認する事は難しいのです。「安く」て「高品質」の物を選ぶのは消費者のセオリーです。しかし、その「安さ」の中にどんな危険が含まれているのかを見極める目を持ち、情報を集めて下さい。お米の場合、農薬にしろ、肥料や添加剤にしろ、問い合わせのできる商品を選ぶ事が、身を守るのに最終的な、消費者に出来る選択肢だと考えます。